アメリカの不良娘・ベッキー VOL. 11

アメリカの不良娘・ベッキー 

けたたましい爆音で目が覚めた。ジョン達がバイクにエンジンを掛けて出発する所だった。

バドワイザーの缶をを握ったまま床に突っ伏して寝ていた僕は、気だるさで重くなった身体を起こし外へ出た。

『グッドモーニング!ボン!』ひげ面連中から挨拶をもらう。

僕も『グッドモーニング』『ベッキーは?』

『まだ寝ているよ、俺たちは帰るから、またな。ボン』

凄い爆音を残して20数台のバイクが去って行った。

部屋へ戻り見渡すと、昨日の宴の後は綺麗に片付いていた。

ベッキーにそのことを尋ねたら、連中が片付けてくれたという。

やつら、やるな〜と感心しながら何気なく時計を見ると11時!!

やばい!今日はフライト試験前の仕上げフライト訓練の日。なんと緊張感の無い俺よ。情けなくなる。

フライトは午後からだからまだ間に合う。

ベッキーに挨拶をして車に飛び乗り寮へひた走った。

寮についた。皆はリビングにいた。心なしか目が冷たい。

『お早うございます。』

『おはよう』とみんな。….

ニヤニヤしながら斉さんが近づいてきて肘で僕をこついた。『やるな〜』とまたニヤニヤ。
斉さんには後で昨日のことを報告しよう。しかし今は今日のフライトの予習を大急ぎで片付けないとまずい。

部屋に入り、マニュアルとノートを開いて手順をたたき込む。今日は仕上げなので一通りのマニューバをやらされる。
兎に角時間まで神経を集中して没頭した。

不思議なことにしこたま飲んだビールの後遺症がない。頭は冴えに冴えている。これはいける。
(後に判明するのだが、これがマリファナの影響なのである。マリファナを吸った後はこうなる)

時間だ。フライトバッグの中身を確認してフライト前のブリーフィング室へ向かう。もう教官は到着してコーヒーを飲んでいた。

さあ、フライトだ!

 

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