アメリカの不良娘・ベッキー VOL. 9

アメリカの不良娘・ベッキー 

僕はあわてて、『Becky, what’s happening today?』とBeckyの言葉に割り込んだ。

Beckyはうまく話題を変えて、『I came here to see you, Bon. I have to reply about your Love letter.(ボンに会いに来たのよ。昨日のラブレターに返事しなきゃね。)』

あわわわわわ、(いかん!やばい展開になった、こうなったら仕方が無い。正攻法でいくか。と腹をくくった。)

ありがたいことに、英語な達者なインポの坪井さんは部屋に篭もっていたので聞かれていない。
斉さんを初めとする他の連中は英語が得意で無いので僕は賭に出た。

『Becky, why don’t you talk outside with me a little while?(ベッキー、ちょっと外で話さない?』
『Sure.(いいわよ)』とBecky。

横目でみんなを確認すると、何事も無かったように本を読んだり、コーヒーを飲んだりしている。(よし!!!! )

昨日のラブレターの件は忘れて貰おうと『ベッキー、ラブレターの件なんだけどさー』と僕から切り出した。なんせあんな大男が旦那なんてやばいぜよ。

とベッキーが途中から『ボン、昨日はありがとう、とっても嬉しいわ。旦那は行きずりの女をレイプして監獄に入っていてあと10年はでてこれないから、旦那のことは気にしないでいつでも遊びに来てね。』

(なぬ!レイプ! 監獄! 10年!)(恐ろしくなったが、ホットしたのも事実)

ベッキーが『そうそう、今日ディナーを作るから遊びに来てね、待ってるわ。』

(げっ、急に来た!)『う〜ん、そ、そ、そうだね』、ガビーン心にも無いことを言ってしまった。

『じゃあね〜、待ってるわ。』とベッキーが帰っていった。

返事をしたからには行かねば(変な所で真面目な僕の性格を恨んだ)、さて、なんと言って寮を抜け出すか。車も要るし。
これまた、どうするかな〜としばし悩んで…..やっぱり正攻法に決めた。

夕刻、みんなに『車使わせてー、ちょっとベッキーの所に行ってくる。』

すんなりと車を手に入れた。(でも、怪しんでるだろーなー)

30分ほど車を走らせてベッキーのアパートの駐車場へ到着、と、広い駐車場の周りにチョッパーがずらり。
『?????????』『なんだろう、なにかあったのかな?』

と不思議に思いながらベッキーのアパートの玄関をノック、中からベッキーが『Come in!』。

玄関の扉を開けた僕は凍り付いた。

部屋の中には野郎が20人くらいいて、そいつらはみな大男。頭にはバンダナを巻き、古びたジージャンとジーパン、袖をちぎって太い腕をだしている連中も居る。
ほとんどの連中が髭をはやして。

僕はUターンをして帰ろうとした。が!一人の男に呼び止められた 万事休す。

 

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